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出口線路の下は深く掘られています。但しここでは鉱石は降ろしません。
軌道の風景
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No.16 明延鉱山(1円電車)1回目
兵庫県の真ん中にあり播但線の新井から山深くバスで入ったところにありました。銅・亜鉛・スズの鉱山で1円電車としてそれなりに有名だったのですが、行ったという人にはまず会いませんでした。当時はインターネットもなく鉄道雑誌等に話題が出ることもなく、”1円電車は乗れなくなっている”等のうわさがある程度でした。
昭和54年冬大学鉄研後輩のS君を誘い、とにかく行ってみることにしました。山陰本線和田山から播但線に入り新井の駅に行ったことは覚えていますが、和田山までどういったかは忘れてしまいました。おそらく特急・出雲で行ったと思います。

鉱石列車の最後尾が荷下ろし場に入っていく。
この建物の側面に見える山型のフレームが貨車のガイドを上に持ち上げる案内です。前に出てきた建物内部の写真で詳しい形がわかります。
この荷降ろしについては動画が公開されていてネットで見られますので、ご興味がある方は探してみてください。

鉱石を降ろした列車が荷降し場を出てきました。
神子畑の選炭場に着いて軌道まで行ってみますと看板が貼ってありました。この看板の通りならば乗れないのですが、しばらく写真を撮りながら周りをうろうろし、大丈夫そうなのでエイッと乗ってしまったところ怒られることのなくどうにか明延鉱山側に着くことができました。列車はゴロゴロという感じで走っていましたが、客車内は狭く圧迫感があり楽しいというよりは早く着かないかなといった感じでした。
その日は明延で撮影の後明延の街集落に降りて旅館に行き泊めてもらいました。明延鉱山関係業者の宿泊用といった感じで、煎餅布団がやたら冷たかったのを覚えています。
翌日は軌道のトンネルの明延側に一か所表に出て走っているところがありそこまで歩いて行って写真を撮りました。その後ズリ捨て場のほうに少し歩いて行ったのですが、その日のうちに新見の石灰鉱山に行ってみようということになり途中で引き揚げ、再度1円電車に乗り神子畑の選炭場まで戻りその後バスで新井にまで出て姫路・岡山経由で新見まで移動してしまいました。結局新見の石灰鉱山はコンベア輸送に切り替えられていてハズレでした。
軌道の風景
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鉱石列車は長いのでさらに先に進みます。
明延側のトンネル出口です。かつては出口に分岐があり谷側に線路が出ていました。このため線路がトンネルの少し右側にあります。
乗合い場全体を見ます。中央の建物が乗客の待合い小屋です。待合い小屋の左下にあるのはトイレです。右にあるのは乗務員の詰所です。
右の写真は荷下ろし場の横とその先の風景です。
線路は一旦側に出て回り込みさらに先に進み下からくる道路と交差します。線路のその先の写真は撮っていません。ただその先に鉱石輸送用の索道が写っています。
鉱石降し場の先はさらに続きます。
鉱石列車は前後に機関車が付いていてそのまま往復していました。
貨車は左右非対称で谷側の側面が開いて鉱石を降ろすのですが、山側には鉱石降し時に側面補開くためのガイドがあります。このガイドが列車が進むと上に上がるように案内がありそれによって自動で側面が開いて鉱石が下りるようになっています。
神子畑はバスを降りて場内に入るとレールが引いてありますが、この部分は選炭場内作業用です。明延との鉱石輸送軌道はここからインクラインで上部に上がった所にあります。昔は神子畑と播但線の新井駅まで輸送軌道が走っていた様なのですが訪問の時点ではとっくにトラック輸送に切り替えられていました。
神子畑場内場内入った所の軌道風景
インクラインの上には明延からの鉱石輸送を行う軌道がありました。私が行った時点の軌道の配線は上図の様になっていました。
明延から大きな一山超えたトンネルを出でるとしばらく表を走り左にカーブして小さなトンネル荷再び入ります。そのトンネルを抜けると、一円電車乗合い場があり数十m後に再びトンネルに入ります。そのトンネル内で分岐してトンネルを出ると鉱石を降ろす精錬工場の上に入ります。
昭和40年前半のTMSの記事に載っている配線とは異なり大分シンプルになっていました。大きく異なるのはトンネル内に分岐が追加され、鉱石荷降し線用のトンネル出口が作成されていました。鉱石荷降し場も山側から谷側の精錬工場の直上に移設されていました。
乗客待合い小屋内です。1円電車の編成がこの前に止まります。
乗客待合い小屋の下にトイレがあります。
乗降場の先には再びトンネルがあります。横に乗務員の詰所があります。このトンネルは内部に分岐を追加してその先に出g地を1つ設けた為新しくなっています。
トンネル反対側の出口です。これとは別に左側にもう1つ荷下ろし場へつながるトンネル出口があります。
荷下ろし場側のトンネルを出た所です。中央にインクライン上部の到着場があります。
また右の建物がインクラインの制御小屋です。左の建物は鉱石荷下ろし場です。
鉱石列車がやって来ました。、
砕石の荷降ろし場です。ネット上の動画を見ると左の山型の案内で貨車の下部の案内を持ち上げて箇所の右側板を開くと共に貨車全体を傾けていました。
荷降し場の出口付近です。
トンネルを出た鉱石列車がインクライン上端の横を通って荷降し場へ向かいます。
列車が荷下ろし場に入っていきます。
上部軌道へのインクライン
インクラインの上部から。選鉱場の途中にも線路が出ています。
荷降ろし上の出口です奥に列車が見えます。
和田山駅にて山陰本線・普通列車
このトンネルの内部の分岐はこの様になっています。手前の分岐が追加されています。
トンネルに鉱石列車が入ります。
内部は暗くてよく判りませんが鉱石を降ろしているようです。