部品番号:HK001(梁付き)・HK002 (1/80スケール)
工房ひろさんで販売をお願いしている部品の説明です。本部品を用いて模型を作成される方への参考資料として提供させていただきます。
HK001は梁付きで床板に直接取り付ける場合に、梁を付けて取付けます。実物の取付けと同じ取り付け方になります。
HK002は梁なしの本体のみです。梁の必要までない場合や、客車キットの床下器具取付け板を使用する場合に、梁は
使えないので本体のみ使用します。
梁の取付け
水槽は梁を通して車体に取り付けられています。梁付きで購入いただいた方には梁を水槽の足に取り付け、梁と共に床下に取り付けていただきます。
本体には必要に応じて配管や操作ハンドルを取付けます。これらは別途購入してください。
以下に水槽に取り付けられる配管部品の説明をしていきます。
・給水弁・検水弁コック:
水槽の両側に付き営業中に水槽を操作・確認するために使用されます。給水コックは棒になり、検水コックは菊型(または玉付き)ハンドルを使用します。このコック部分は工房ひろの給水・検水コックC(No.558)が使用できます。水槽とコック管は0.5Φの線で接続します。水槽には該当箇所に穴が開いていますので差し込みます。穴が狭い場合にはドリルで広げてください。
取付け位置
備考で全車というのはスハ32モニタ-屋根として作成された客車内で全ての車という意味です。次に製作されたスハ32丸屋根系統が同じ形式で追加製作された為、同じ形式で製造番号が、リストで示した番号の後ろにさらに続く形式もあります。そのようなケースでは、その車両は全車の中には入っていません。
参考資料:国鉄剛製客車史 第2編 スハ32(32600)形の一族(上)・(下)
操作ハンドルは菊型(5分割されたハンドル)と玉付き(6分割されたハンドル)の2種類があります。新製時(図面上)には玉付き
(6分割されたハンドル)が使用されていますが、菊型(5分割されたハンドル)が使用されている場合もあります。長年のメンテナンスの都合上、特に意味はなく置き換わっている様です。
上記配管に関しては本ホームページ内スハ32の床下・第11回蒸気配管と給水口・第12回水タンク廻りで説明していますので参照してください。
なお水槽の上部を通っている蒸気配管を取り付ける場合、本水槽キセと重なります。蒸気の通し配管は水槽キセの中を貫通しており、その部分は模型作成上蒸気配管をカットする必要があります。蒸気配管の貫通部分は特に考慮してありませんので、該当部分をあらかじめドリルで軽く凹ませておくと取付けが容易になります。
・排水管と排水弁ハンドル:
水の排水時に使用します。排水弁ハンドルは排水管の反対の取っ手がある面に取付けられています。エコーモデルの菊型(または玉付き)ハンドル大が使用できます。水槽に穴が開いていますのでハンドルの棒を差し込みみます。
排水管は尻尾の様に下向きに配管が取り付けられます。太さは0.3Φで穴に差し込み取付けます。双方とも穴が狭い場合にはドリルで広げてください。
・空気ダメ配管:
ブレーキの空気溜めタンクから配管されてきます。太さ0.4か0.5Φで配管します。穴が狭い場合にはドリルで広げてください。
・補助空気ダメ配管:
水の圧力を安定化させるための補助空気ダメとの間の配管が接続されます。太さ0.4か0.5Φで配管します。穴が狭い場合にはドリルで広げてください。
・蒸気トラップ配管:
凍結防止用蒸気配管の蒸気トラップが接続されます。太さ0.4か0.5Φで配管し先に蒸気トラップが接続されます。蒸気トラップは工房ひろの蒸気トラップCが1番近い形状をしています。但し配管の接続先が異なりますので若干の改造が必要になります。
また蒸気取込みを行っている蒸気配管の接続は表面からは見えない上面で行われていますので、取付け穴は開けていません。
・給 水 管:
両側面から水を水槽に入れるための配管です。0.6〜0.8Φの配管を接続します。排水口の部分はオハ31系で設計された給水口を元に口金を改造して使用しています。現状本来の給水口は販売されていませんので、旧型客車用の給水口で代用するか、独自に作成する必要があります。
・送 水 管:
水をトイレ・洗面所等にに送ります。穴は開いていませんので配管を行うのならば、ドリルで所定の位置に0.5φの穴をあけて取り付けてください。
・水槽保温ハンドル:
冬季凍結防止の為の蒸気保温用調整ハンドルです。エコーモデルの菊型(または玉付き)ハンドル中を使用します。0.5Φ穴にハンドルの棒を差し込みます。
・キセ保温ハンドル:
冬季凍結防止の為の水槽カバー蒸気保温用調整ハンドルです。エコーモデルの菊型(または玉付き)ハンドル大を使用します。0.5Φ穴にハンドルの棒を差し込みます。
取付け位置は全ての車両で共通です。図は下から見た図です。水槽の反対側にはブレーキ装置が配置されます。
取付け高さは、レール上面から14.25±0.5oの範囲内で、床板下面に梁も含めて直接取り付けます。客車キットに付いている床下器具取付け板を使用する場合は、水槽の取付け足を切るか床下取付け板の取付け足の部分に穴をあけて取付けてください。
(この場合足に付く梁は使用しません。)
本体説明
本部品はスハ32形初期のモニター(2重)屋根・600番台の客車に使用されている水槽です。
丸型水槽と名前を付けていますが正しい呼称名ではありません。元となっている図面上の名称は水槽キセ・VA10073です。
丸型水槽はスハ32600(モニター屋根)の前に製造された17m客車の形式オハ31形で使用され、、その後スハ32600(モニター屋根)用に改造を行い本形状になった物です。
スハ32600(モニター屋根)形の客車は昭和4年度から6年度にかけて製造されています。その中の昭和6年度以降製作した車両に関しては平型水槽キセに置き換えられていますので、丸型水槽は使用されていません。置き換えの原因は丸型水槽は車体の片側に配置される事により、左右のバランスが悪く不安定になるためで、車体中央に配置出来る平型水槽に変更されました。
この為スハフ32(34200)でも85番以降(スハフ34200の最終は98)では丸型水槽は使用されていません。スハ32(スハ32600)は6年度生産はないため全車丸型水槽が使用されています。
また展望車スイテ38・48・マイテ39に関しては新制時は丸型水槽が使用されていますが、戦後更新の折に平型水槽におきかえられています。
さらにスハユ30・スハニ31に関しては丸型水槽ですが、長さが短いVA100138という水槽キセが使用されています。
詳しくは以下の表を参照してください。
No. | 形 式 | 旧形式 | 使用番号 | 備 考 |
1 | スイテ38 | 37000 | 1〜3 | 全車・戦後は平型に更新 |
2 | マイテ39 | 37010 | 1〜2 | 全車・戦後は平型に更新 |
3 | スイテ48 | 37020 | 1〜2 | 全車・ 戦後は平型に更新 |
4 | マイネ38 | 37130 | 1〜5 | 全車 |
5 | マイネフ38 | 37230 | 1〜5 | 全車 |
6 | マイロネフ38 | 37280 | 1〜3 | 全車 |
7 | マイネロ37 | 37260 | 1〜4 | 全車 |
8 | マロネ37 | 37350 | 44〜92 | 全車(1〜43別形式) |
9 | スハネ30 | 30000 | 1〜10 | 全車 |
10 | マロシ37 | 37900 | 1〜3 | 4〜5は楕円型水槽 |
11 | スロ32 | 30800 | 1〜14 | 全車 |
12 | スロ33 | 31000 | 1〜31 | 全車 |
13 | スロ34 | 30750 | 1〜10 | 全車 |
14 | スロフ30 | 31200 | 1〜20 | 全車 |
15 | スロフ31 | 31250 | 1〜2 | 全車 |
16 | スロハ31 | 31450 | 1〜12 | 13〜23は平型 |
17 | スロハフ30 | 31700 | 1〜8 | 9〜13は平型 |
18 | スハ32 | 32600 | 1〜136 | 全車 |
19 | スハフ32 | 34200 | 1〜84 | 85〜98は平型 |
20 | スハ33 | 33900 | 1〜2 | 全車 |
21 | スへ30 | 33900 | 1〜17 | 全車 |
22 | スへフ30 | 35250 | 1〜12 | 全車 |
23 | スシ37 | 37740 | 39〜57 | 全車(1〜38は別形式) |
梁は3種類あり足のアングルを一部付けた部分と梁端部の取付けシロの形状により取り付ける位置が決まります。
各々のパーツを糸鋸で切り離しヤスリで成形後、足の位置と梁を調整して足に梁をはめ込み取付けます。
取付けは半田付けか瞬間接着剤を用いて行ってください。
実車の概要
丸型水槽本体
梁